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2025年4月21日更新

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頭痛
頭のどの部分が痛みを感じるのでしょうか:

脳そのものは痛みを感じるようには出来ていません。
頭頚部の痛みに関与しうる痛みを感知する構造物は以下の通りです。


頭頚部の皮膚
筋肉
頭蓋外の動脈
頭蓋骨の頭蓋外部の骨膜




鼻腔
副鼻腔


頭蓋内の静脈洞
その硬膜内の分枝


頭蓋底の硬膜
動脈
頭蓋内部の内頚動脈


中硬膜動脈
浅側頭動脈


上位3部位の頚神経
脳神経の硬膜通過部


興味深いことに、これらの構造物が刺激された際、
感じられる感覚異常は痛みだけです。

痛みに関与しない構造物は

A.軟膜、くも膜

B.脳実質

C.脈絡叢

です。

一次性頭痛と二次性頭痛
頭痛は単一症状としてはとても多く、
よってある程度以上の人口を持つ先進国では、
頭痛専門の診療科が成立します。

全般的な医学的アプローチでも頭痛を診療できますが、
正確な診療をするためには神経学的知識が必要となります。

さて、頭痛はいろいろな原因で起こりますが、
大きく分けると2つに分類されます。

脳や身体に器質的な異常があって、
放っておくと生命が危うくなるかもしれない頭痛、二次性頭痛と、
そうでない頭痛、一次性頭痛です。

生命が危うくなるかもしれない頭痛は、
くも膜下出血や脳腫瘍、
つまり脳もしくは身体の器質的な異常によって生じます。

器質的な異常のない頭痛はさらに2つに分けられます。

頭の血管が拡張しておこる血管性頭痛と、
肩や首の筋肉の緊張や精神的ストレスからくる
緊張型頭痛です。

血管性頭痛は更に片頭痛と群発頭痛に分けられます。 

緊張型頭痛
 頭痛で悩んでいる方の半数以上は緊張型頭痛で、
首筋から後頭部、またはこめかみのあたりが
締めつけられるられるように痛みます。

ほとんどの場合、身体的精神的ストレスや
首の骨(頚椎)の老化が原因となっています。
うつ状態が関わっている場合もあります。

緊張型頭痛に見かけの症状が似ている頭痛に
帯状疱疹による頭痛というのがあります。

皮膚症状が出たら、帯状疱疹ウイルス用の
抗ウイルス剤の服用が必要となります。

片頭痛と群発頭痛
片頭痛は月に1-2度、発作的に頭がズキンズキンと
拍動性に激しく痛む頭痛です。

典型的な片頭痛(classic migraine)の経過は
以下のような特徴を有しています。
早朝、もしくは日中頭痛が始まります。
数分から30分以内に痛みはmaxに達します。
痛み止めを服用しないと4-24時間以上続き、
睡眠をとることによって治まります。
もちろんこの枠内に治まらない場合もあります。

血管が拡張しやすい状況になると片頭痛が起こりやすくなります。
気温が上昇した時、
気圧が下がった時、
気分が和んだ時
などです。

女性は3人に1人、男性は5人に1人が
片頭痛になりやすい体質を持っています。

女性ホルモン(エストロジェン)は血管拡張作用を持っていますので、
生理の前や排卵時期に片頭痛を起こす方が沢山います。

生理と連動して起こるときの片頭痛は、一般に片頭痛の特効薬である
TRIPTAN製剤の効きが悪くなる傾向があります。

妊娠するとエストロジェンの分泌が安定するために
片頭痛は起こりにくくなります。

産後、生理が戻ってくると片頭痛が起こり始めます。

◆最近では、マスク頭痛が話題に上ることがあります。

マスクをしていると、暖かい呼気を吸い込む、
炭酸ガス濃度が高くなっているかもしれない呼気を吸い込む
といったことで血管が拡張し、片頭痛が誘発されるかもしれない
という考えによります。


群発頭痛は片頭痛に似て、
やはり拍動性の耐え難い痛みを特徴としています。

通常、年に1-2回、頭痛が集中して起こります。

1回の頭痛は1-2時間でおさまりますが、
それが1-2ヶ月の間、ほとんど毎日起こります。

頭痛の部位はほとんどの場合いつも同じで、右もしくは左
どちらかの目の奥(眼窩部)に起こります。

通常、夜中の2-4時ごろ痛みが始まり、2時間程度持続します。
ひどいときには日中にも痛みが起こります。

また、涙が出たり、鼻水が出たりといった
随伴症状が起こる場合があります。

20-30歳代の比較的体格のよい男性に多く起こりますが、
女性にもまれながら起こります。

群発期間中に飲酒をするとてきめんに頭痛が起こります。
飲酒をして頭痛がおこるので、群発頭痛に突入したと
感ずる患者さんが少なからずいます。 

片頭痛のくすり
片頭痛の特効薬としてtriptan系の薬があります。
残念ながら、医師の処方箋が無いと手に入りません。

わが国ではイミグランをはじめとして
現在5種類のtriptan系の薬剤が手に入ります。

服用される患者さんとの相性が微妙にあります。

近年予防薬として注射薬が開発されました。
いくつかの飲み薬での経験を経て、用いるのが妥当かと思われます。

飲み薬としての予防薬もあります。

サプリメントとして
大量のビタミンB2やマグネシウムやfeverfewが用いられることがあります。

慢性連日性頭痛と「うつ」がからむ頭痛
緊張性頭痛や血管性頭痛がこじれて
起こる頭痛(慢性連日性頭痛)として、
頭痛のための痛み止めを服用し過ぎたために
薬が切れると痛くなる頭痛や、
うつ状態のために起こる頭痛などがあります。 

雷鳴頭痛とその一つであるRCVS
雷鳴頭痛

雷鳴頭痛とは突然雷に打たれたかのごとく、
にわかに起こる激しい頭痛を意味します。

これにあてはまる疾患としては
クモ膜下出血、椎骨動脈解離、脳出血、下垂体卒中、静脈血栓症、
RCVS、第3脳室コロイド嚢胞、低髄液圧、などが
挙げられます。

クモ膜下出血、RCVSといった原因に基づく頭痛は
症状がとても軽い場合、診断がとても難しくなります。

 頭痛があった場合、
専門医に、まず脳腫瘍や脳出血などの器質的な病気が
ないかを調べてもらい、
次いで症状に合った痛み止めを処方してもらうなど、
適切な治療を受ける必要があります。

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